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リモートで働く場合のコミュニケーション注意点 その2

 

前回(リモートで働く場合のコミュニケーション注意点 その1)は、日本文化におけるコミュニケーションの特徴とそれが及ぼす影響、そして話し相手が同じ場所にいないときのコミュニケーションの課題を説明しました。 また、そのような状況でミスコミュニケーションを防ぐには、早期の段階で問題を解決することが重要であることも紹介しました。

今回は、この早期の段階で問題を解決するために、意識するべき4つの要素(コミュニケーションの目的、相手のコミュニケーションスタイル、相手とあなたの関係性、言葉の表現方法)の中から、「コミュニケーションの目的」と「相手のコミュニケーションスタイル」にフォーカスし、フレームワークやツールを紹介していきます。

 

リモートな環境での「コミュニケーションの目的」とは

AMAのコース「ビジネスプレゼンテーションスキル」でも説明していますが、プレゼンテーションの準備をする際、まず初めにすることは目的の明確化です。

プレゼンテーション準備のステップ

●目的:何のために?
●相手:聞き手は誰か?
●内容:何を?
●構成:どのように?

リモートな環境での「目的:何のために?」は、「コミュニケーションの意図」とも表現されます。同じ職場で勤務している状況では、意図を明確にすることなくコミュニケーションをとりがちですが、リモート環境では、このコミュニケーションの意図を明確にすることが非常に重要になります。

 

コミュニケーションの意図を明確にするには

コミュニケーションの意図を明確するには、まず、誰かに話しかける前やメッセージを送る前に、次の2つの観点で自問自答をすることから始めます。

1.このコミュニケーションは業務上必要か不要か?
2.相手はその人ではないといけないのか、それともほかの人でも大丈夫か?

この2つが明確になったら、次はコミュニケーションをとろうとしている相手にとってはどうか、を考えます。

例えば、このようなことはありませんか?
「業務にはさほど必要ではないけれど、その相手でないと聞けない(聞きづらい)」
相手からすると、「自分の業務と関係はないし、私でなくてもいいのに・・・」

これをマトリックスで表現すると下記のようになります。
自分と相手との間にギャップがありますね。

 

もし、リモートな環境でのコミュニケーションで、相手の反応に違和感を覚えた場合は、自分と相手のマトリックス上の位置がずれている可能性があります。自分のコミュニケーションの意図を伝え、相手の認識が一致しているか確認しましょう。

例えば、マトリックスの「他者ではNGかつ、業務の為に必要」に該当する場合は、日時を設定しミーティングを行います。それ以外の場合は、自分と相手の認識がずれている場合があるので、コミュニケーションを開始する際には、必要に応じて相手に確認することで、ミスコミュニケーションを減らすことができます。

ここからは、相手に確認するときに注意するポイントを紹介していきます。

 

「相手のコミュニケーションスタイル」を意識する

どのような状況、相手、目的でも効果的にコミュニケーションをするためには、話し手として次のようなことが重要です。

●自分の考えを整理して順序立てて話す
●相手にとってわかりやすい説明をする
●相手が納得するように論理的に話す
●相手がイメージを描けるように話す

上記のうち3つが「相手にとって」という観点が中心になっていることからも分かるように、同じ話しをしても受け手によって感じ方が異なります。
それでは、コミュニケーションをとる上で、人による違いはどのようなものがあるでしょうか。多くの場合は、「前提・情報量・知識量」と「好みのコミュニケーションスタイル」の2つに分かれます。ここでは、「好みのコミュニケーションスタイル」に関するフレームワークを紹介します。

 

コミュニケーションスタイルのフレームワーク

下図は、コミュニケーションスタイルを4つの観点から分類したものです。
この中で、あなたとあなたのチームメンバーはどれに該当するでしょうか。該当するところが分かったら、下記表を見て、チームメンバーとコミュニケーションをとる際の参考にしてください。

 

 

各状況におけるスタイル別傾向

ミュニケーション 対立 エンゲージ
メント
結果 信頼 コーチング
決断して推進する人 簡潔で、的を射ている。アジェンダを使う 直接的 効果的なプロセスとガイドラインを設定している 結果ベースの評価。公正さが重要 「やると言ったらやる」の文化 コミットメントを守る。障害を克服する
熱心に協力する人 それぞれのチームメンバーと1対1の関係。チームミーティング。細かいことは抜ける とことん話す 人を巻き込む。人に敬意を持って接する。活気があり、ペースの速い文化 チームの功績を重視 協力的な仕事に基づく 献身的。スケジュールが過密。リスケジューリング
詳しく分析する人 説明が長く、論理的で、細かい。ミーティングは、必要な場合に、簡潔に集中して行う コミュニケーションガイドランを監視 任務が明確。組織の目標と整合している 分析システムをよく使う。徹底的。合理的なタイムライン 正確な仕事に基づく 事実のみ。正確さを期待
辛抱強く合意を形成する人 時間をかけ、政治的に正しく、慎重に対立を回避する。ミーティングは和やかで、個々の見方を表す時間がある 対立を避ける。調和を生み出そうとする 主なステークホルダーとの関係を構築する。直属の部下に成長する機会を与える 目標が全員に確実に理解されるようにする。強みを作る。弱みを解消する。結果への視点が長期的。組織を作る 人を理解するための質問をする キャリア開発のためのコーチングを行い、チームメンバーを育てる。助ける

 

自分と相手のタイプを上記の図や表を参考にして、自分の意図を相手に伝えることで、ミスコミュニケーションを減らし、より効果的にリモートな環境で働くことができます。

次回は、この意識すべきことの具体的なスキルやツールをご紹介します。

2020年4月17日
リモートで働く場合のコミュニケーション注意点 その3

●相手とあなたの関係性
●言葉の表現方法

2020年05月01日
リモートで信頼関係を構築するためのファーストステップ

2020年05月25日
リモートワークの定着により変わること


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