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2021年に重要となる5つの能力・スキル
~With/Postコロナ、リモート/テレワーク、DX時代~

2020年を振り返って

今年はダイヤモンド・プリンセス号でのCOVID-19で始まり、緊急事態宣言、東京オリンピック延期、安倍首相の退陣、菅内閣発足、そして第3波の流行など、後世にも伝えられる激動の2020年がもうすぐ終わろうとしています。私たちの働き方や生活も激変し、リモートワーク、ワーケーション、バーチャル vs リアル、副業解禁、派遣切り、アキ活、等々。ほぼ全ての組織や国民が大きな影響を受け、変化を強いられました。その中で変化を先取りした企業もあれば、後れが目立つ企業も散見されました。

2021年の人材育成計画

10月以降、2021年の人材育成計画を検討されている方とミーティングの機会を持ち続けています。総じて、多くの企業・団体・組織のご担当者が非常に悩んでおられます。
頻繁にお聞きするのは、
「何とかしなくてはいけない。このままではまずい。」
「変化すること、変わらなければならないのは十分認識しているけれど、どうしたら良いのか分からない。」
というお声です。一様に危機感と焦りを感じられています。
これは何故でしょうか。
変化のスピードが激しい中、多くの方があるべき姿(To Be)を描き切れていないからでしょう。それが見えれば、現状の正しい理解・認識が可能となり、課題が明確になります。「私たちの所属する組織はどうあるべきか、どうなりたいのか」が分かれば、あとは簡単です。
しかし、COVID-19が先を見通す目を暗くさせ、私たちの視力を低下させています。COVID-19や、これによって生じる変化が、あたかも雲や霧のような存在になり、「向こう側」が見えない状況に陥っています。

2021年以降に重要な能力・スキルとは

あるべき姿が描き切れていないお客様に対して、「課題は何ですか」、「どんなニーズがありますか」、「それを教えてくだされば、検討して、後日提案差し上げます」などのようなトンチンカンで野暮なことは言いません。お客様もそれが分からないから、悩んでいらっしゃるのです。 弊社では2021年以降、組織に属する人にとって、高めることが重要だと思われる能力やスキルのいくつかの仮説を立てました。「もしかすると○○のような力やスキルが貴社にとって必要なのではないでしょうか」とお話しを進めるうちに、それらの仮説が「向こう側」に必要とされているものであると多くのお客様が納得してくださっています。私どもの仮設は、米国AMAの情報、そして日本国内のお客様からのヒアリングを基にしていますので、精度は高いと考えています。2021年の人材育成計画をご検討する上で、是非、以下をご参考にしていただければ幸いです。

1. 未来を描く力(戦略やシナリオを立案する能力・スキル)

お客様に未来を描く力が必要と提案すると、「そんな未来のことは分からない」と一笑に付されます。それでは会社にも社会にも責任を果たすことができません。With/Postコロナの未来はどうなるかは不確定であり、だからこそ未来についての多様な仮説を展開する必要があります。現地点に立って未来の姿を段階的に予測すること(Forecast)も有効ですが、今必要なのは、未来の姿を描いてその世界の地点に立って複数のシナリオや戦略を策定すること(Backcast)です。未来を描くためのマインドセット、スキル、フレームワーク、ツールなどを学ぶ必要性が高まっています。

2. 臨機応変・スピーディーに意思決定する力・スキル

今までの前提が大きく崩れた未曾有の危機から事業を存続、成長させていくには、今までとは違う判断基準、スピードを持って他社との競争を制さなくてはいけません。意思決定が遅れることで、存続の危機に陥ることも多々あります。PDCAのように計画を立てて行動することも重要です。同時に、現状を察知して、先ずやってみるというOODAの考え方も意識的に取り入れる必要があります。組織と個人がアジリティとレジリエンスを持ち、更なるスキルアップが重要です。

3. ダイバーシティ&インクルーシブリーダーシップ

これまで日本では、「ダイバーシティ」そして「D&I(ダイバーシティ2.0とも)」が進んできていますが、今後は働き方も社会環境や個人のニーズに合わせて益々流動的に、そしてバラエティが豊富になっていくでしょう。距離・時間・価値観・人種・世代、あらゆる要素が多様になっていく中で、各従業員が「自分の存在が組織から尊重されている」「私も組織の一員である」と思えるには、リーダーがこれまで以上に周囲を巻き込んでいく必要があり、そのためのスキル習得は必須となっていくでしょう。

4. バーチャル/リモートチームをリードする力・スキル

働き方が多様化し、個々人の考え方も様々です。結果を出すまでのプロセスにも違いが出る中で、それでもマネジャーはチームを導いていかなければいけません。バーチャル下ではより明確にチームの方向性を示し、影響力を与え、行動を引き起こすリーダーシップが必要とされています。また、メンバーに対して、いかに効果的にフィードバックすることで、組織の生産性・パフォーマンスを高めることが一層求められています。

5. コア・コンピタンス(変化の中でも、これからも必要な力・スキル) 

すぐに競合に真似されてしまい、差別化が難しくなり、今までの競争力が維持しにくい環境になってきました。また、今後どのように世の中が変わり、顧客ニーズが変わっていくのか、不確実な要素が多く、見通しが立ちません。このような環境で組織の業績は、変化に迅速に対応でき、新しいビジネスの創造に挑戦する社員の能力次第で大きく異なります。変化する環境の中で求められる能力は、変わっていくかもしれません。しかし、今までも必要で、これからも間違いなく必要になる能力があります。コア・コンピタンスである思考力・コミュニケーション力・リーダーシップの必要性はいつの時代でも不変です。これにさらなる磨きをかけて、予期せぬ変化に対応する準備が重要ではないでしょうか。ビジネスパーソンとしての土台をしっかりと固める重要性はより高まっています。

この5項目が、弊社が考える2021年以降に重要な能力・スキルです。

最後に

イスラエル人歴史学者であるユヴァル・ハラリ氏の「緊急提言パンデミック 寄稿とインタビュー」の序文の一節を引用します。

「感染症は農業革命以来、人間の歴史で中心的な役割を演じてきた。そして、しばしば経済危機や政治危機につながった。これまでの感染症と同じで、COVID-19に関しても、けっして忘れてはならないことがある。それは、ウィルスが歴史の行方を決めることはない、それを決めるのは人間である、ということだ。人間はウィルスより圧倒的に強力であり、この危機にどう対応するかを決めるのは、私たちなのだ。Postコロナの世界のあり方は、今私たちが下すさまざまな決定にかかっている。」

これから大切な決定をされようとしている皆様に寄り添い、伴走者として、貴組織の目標・目的達成に貢献したい、大切な決定のお役に立ちたいと私たちは願っています。私たち人間は賢明な決定をすることができることを信じて参りましょう。

「若草物語」の著者ルイーザ・メイ・オルコットの言葉を最後にお送りします。

“There is always light behind the clouds. (雲の向こうには、いつも青空があるのです)”

皆様にとって、素敵な年末年始、2021年となりますことを心より願っております。

 

本ブログでご紹介した内容の詳細は、以下までお問い合わせください。
お問い合わせ:https://www.quintegral.co.jp/contact/

 

筆者紹介

未来への道標 A guide to future

新里 幹彦(ニッサト ミキヒコ)
クインテグラル株式会社

長年、日系・外資系企業でのマネージャーとして活躍。2013年よりクインテグラルで、日本国内の内資・外資系の企業の経営陣や幹部、次世代リーダーの方々を対象に、リーダーシップの強化、マネジメントスキルの向上、グローバルコミュニケーションの強化など、人事コンサルタントとして様々な課題に取り組んでいる。最近では、これらの経験を活かし、トレーナーとしても活動を開始。

 


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AMAは、1923年にニューヨークで設立されたマネジメント研修の分野で世界を代表する国際教育研修機関です。世界において10万人以上の個人クライ アントと約1万社もの法人クライアントから高い評価を受けています。 グローバルナレッジマネジメントセンターは、2012年2月より、AMA (American Management Association)のサービスを国内で唯一提供する会社として設立され、2017年10月、アジアへのAMAサービス展開 に合わせ、社名をクインテグラル株式会社に変更いたしました。


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