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【miniイベントレポート】パラレルキャリアによるキャリアデザイン ~人生100年時代~
人生100年時代と言われて久しいですが、皆さんは、今後のキャリアや働き方をどのようにデザインされていますか?超高齢社会を迎えるにあたり、国では「人生100年時代構想会議」を設置(平成29年)。リカレント教育を含めた人生を充実させるための施策を議論する場が設けられました。各企業においても、65歳定年延長など、シニア人材が活躍するための人事制度を導入する企業が増加しています。しかし、キャリアのシフトチェンジを起こすうえで、どのような選択をすれば良いのか迷われている方も多いようです。
9月に開催したクインテグラルminiイベントでは、今後のキャリア形成を自律的に考え、実際にパラレルキャリアを選択し、50代で新たな働き方を始動させた小泉カットワール氏から、パラレルキャリアのリアルについてお話を伺いしました。
キャリアは目的地ではなく、旅である
小泉氏は、世界一幸せな国と言われているブータン王国出身です。インドの大学で学び、ブータン政府へ就職後、専門性を磨くために、日本の大学へ入学しました。現在は日本で人材エキスパートとして活躍しています。このような背景もあり、「キャリアは目的地ではなく、旅である」との信条を持つようになったそうです。
パラレルキャリア(複業)を選んだ理由と、その準備
なぜ、働きがいのある企業でのキャリアだけでなく、他の企業への就業など、様々な場所での活動を行う「パラレルキャリア」を選択したのでしょうか?
その理由は、大きく3つあるそうです。一つ目は、自分の専門性に、より磨きをかけるための「自己啓発」、次に、VUCAな時代を生きるうえで必要な「安定した収入の確保」、そして最後は「自分自身の人生を充実させる」という3点です。小泉氏は、これまでのキャリアを振り返る中で、人材育成に関する知識や経験をより高め、楽しいと感じられる時間を増やしながら収入を一社に依存させないことで、より自律したキャリアを構築したい、と感じたそうです。
家族とは、1年ほど時間をかけながら、今後の人生設計について話し合いを重ねられました。また、会社では、まず上司に相談し、一つずつ丁寧に段階を踏みながらご自身の考えを伝えられたそうです。当たり前かもしれませんが、関係する周囲の方たちと、互いに納得するようなコミュニケーションを続けることが、一番大切なことなのかもしれません。同時に、様々な人的ネットワークを活用し、新しいキャリアを築く場所を模索されました。
パラレルキャリアの課題
現在、複数の企業でキャリアを形成されている小泉氏ですが、新しいことに挑戦したいという意欲がさらに湧き、とても充実しているそうです。その反面、このような働き方をするうえでの課題はないのでしょうか?
パラレルワークを開始した当初、半年くらいは下記のような課題に直面されたそうです。
<パラレルキャリアを築くうえでの課題>
- 柔軟なマインドセットを維持させながら時間管理を行うこと
パラレルワークをしていると、常に複数のプロジェクトが同時進行しています。適切な優先順位をつけながら、自分の時間をどのように使うべきかを管理するタイムマネジメントスキルが必要です。 - プロアクティブなコミュニケーションスキルを発揮すること
限られた時間を管理するうえでも、関係者に対してプロアクティブなコミュニケーションを積極的にとり、円滑に業務を進められる能力が求められます。
上記以外でも、各企業との契約、社会保険に関する課題等、事前にしっかりと準備することを勧められていました。特に、企業でこのような働き方の制度を作り、推進される立場の方に向けて、社会保険等に関する相談窓口を設置すれば、新しい働き方に挑戦する社員も増えるのではないかとの提案もされていました。
これからパラレルキャリアを始めたいと考えている方へのアドバイス
最後に、小泉氏が日頃心掛けていることについて伺いました。
まずは、何事も前向きに挑戦する「チャレンジ精神」、常にスキルアップし自分の武器となる「専門性を磨くこと」、そして人的ネットワークを拡げる「インクルーシブな人間関係の構築」を心掛けているそうです。
これらを実現するために、何よりもオープンマインドでいることが重要とのことでした。また、様々なデバイスやツールを活用し、限られた時間を最大限活かす工夫もされているそうです。
今回のminiイベントで、パラレルキャリアを実践している小泉氏のリアルな話を聞くことにより、情報を見聞きするだけでは気づけなかった課題に目を向けることができました。また、これからの長い自分の人生を彩るような自律的なキャリア形成を考えるうえで、今いる場所で最大限力をつけることが肝要なのかもしれません。
パラレルキャリアという選択肢に限らず、皆さまにとって、人生100年時代をどのように生きるかのヒントになれば幸いです。
今回ご参加いただいた皆さまからは「複数企業で仕事をされている方のリアルな話をはじめて聞いたので興味深かった」「主体的にキャリア形成をされており、刺激になった」等の感想をいただきました。風の時代、とも言われる変化の時代には、より責任者意識をもったキャリア形成を考えることが重要なのかもしれません。
今後も、人材育成に関連するキーワードをもとにバラエティ豊かなトピックスを発信していく予定です。日々の業務の合間に、意識変革の機会として是非ご活用ください。
次回のクインテグラルminiイベントは「ウェルビーイングを高めるためのマインドフルネス」です。お申し込みや詳細は、下記をご参照ください。
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