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説得力のあるコミュニケーションを向上させる「聴き方」と「質問」の5つのヒント【AMA U.S. 最新情報】
AMAとの長年のパートナーシップを継続している強みを活かし、AMAで配信された人材育成に関する情報を、少しずつ皆さまにお届けしていきたいと思います。
経営層への提案、チームメンバーとの協働作業、顧客とのクロージングなど、あらゆるビジネスシーンにおいて、説得するスキルは目標達成や成果を得るために欠かせないものです。相手が一人であれ、大勢であれ、人を説得できるかどうかは、コミュニケーションのとり方にかかっています。説得力のあるコミュニケーションを行う鍵となるのは、相手の話に耳を傾けることです。相手の言葉や話し方に注意を払うことで、考え方や優先順位を理解し、それに合わせて自分のコミュニケーション方法を変化させることができます。相手の話を聞く能力を高めるには、相手に話をさせる能力を高めることも必要です。
AMA (American Management Association) は、効果的な傾聴が職場での関係構築や賛同を得るために重要であると認識し、説得力のあるコミュニケーションを成功させるための基礎であると考えています。傾聴力を養い、質問を最大限に活用するためのヒントを以下でご紹介します。
1. 自分が話す時間を制約し、自分の懸念事項は横に置いておく
説得力のある職場コミュニケーションは、講義や講演ではなく、あくまでも会話です。コミュニケーション時間の半分近くは、聞くことに費やすべきです。自分の提案やメッセージが受け入れられるかどうかを心配する気持ちでは、相手の話に集中し、吸収することはできないでしょう。
2. 性急な判断や早合点を避ける
相手の話を偏見や思い込みを持たずに聞けるように、気持ちを整え、耳を傾けましょう。相手を説得しようとするのではなく、その人のアイデアそのままを理解することに努めるのです。自分で結論を出してしまうと、それ以上のことが耳に入らなくなります。
3. 質問をして、相手が答えるまで待つ
質問は相手の考えを刺激し、情報を与えてくれます。これは人を説得するときには欠かせないものです。質問をした後は一呼吸おいて、純粋にその答えに耳を傾けてください。また、質問するという行為は、相手が話を続けやすくし、説得の方向性を決めるための道標にもなります。
4. 質問の種類を理解し、効果的に使い分ける
オープンクエスチョン (Open Question) は、聞き手の視点、目的、克服すべき課題などを、誰が、何を、いつ、どこで、どのように構成されているのか、相手の重要な情報を得ることができます。あなたのアイデアや提案した内容に対する改善アドバイスのような、相手の指示や考えを求める質問 (Directional Question) は、相手にあなたの思考を理解させるのに役立ちます。最後に、「はい」か「いいえ」で答えられるようなクローズドクエスチョン (Closed Question) を使って、その問題の議論を終わらせることができます。
5. フィーリングクエスチョンに慣れる
「このことについてどう感じますか」「私が言っていることは良いことだと思いますか」といった質問をする習慣をつけることは、一般的な礼儀以上の意味があります。フィーリングクエスチョン (Feeling Question) は、聞き手と感情面でつながるために欠かせないものです。時には、質問の種類やトーンを聞き手に合わせて変化させる必要があるかもしれません。例えば、控えめな性格の聞き手には、よりオープンな質問を、また、聞き手が次から次へと話題を変えてしまうような場合は、間を置いてから強い方向性のある質問をすることで、聞き手を軌道に乗せることができます。
傾聴力や質問力を向上させるには、努力と練習が必要ですが、職場でコミュニケーションをとるなかで、やがて自然に身に付いていくでしょう。そして、より多くの人を説得できるようになり、その過程で人間関係も強化されることでしょう。
職場環境が大きく変わり、会議やプレゼンテーション、上司や同僚との会話など、コミュニケーションの手段も変化しています。過日行われたAMAの調査結果*によると、回答者の半数近くが、リモートワークにより職場での人間関係が希薄になったと感じているそうです。
今回ご紹介した5つのヒントが、普段の職場環境を改善させ、貴社のビジネスをさらに前進させる一助になれば幸いです。
*AMAの調査結果:「今、従業員が求めていることは何か?」
クインテグラルでは、世界のベストプラクティスを反映させたAMAブランドのトレーニングを提供しています。AMAでは、業種やテーマ別にカウンシル(委員会)を設置し、市場調査や会員企業の経営幹部が共有した企業の課題やベストプラクティスをもとに、コース開発を行っています。
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