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サクッとわかる!ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギング (Diversity Equity Inclusion Belonging DEIB)

近年、ダイバーシティという言葉だけでなく、ダイバーシティ・インクルージョン (D&I Diversity & Inclusion) やダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン (DE&I Diversity Equity & Inclusion) と言われることが多くなりました。さらには、これらにビロンギング (Belonging) といった言葉も同時に語られるようになってきています。

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギング (DEIB) の概念について、2023年7月6日開催したオンラインイベント「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギングって何?」の内容から一部抜粋してご紹介します。

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギング AMAの定義

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギングという言葉は、とても抽象的概念です。そこで、世界有数の人材育成組織のAMAでは、どのように定義しているかを紹介します。

サクッとわかる!ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギング (Diversity Equity Inclusion Belonging DEIB)
Quotes by Verna Myers – American Activist

  • ダイバーシティ:多様性
ダイバーシティは、”A Fact” (事実) であると定義しています。つまり、性別、年齢、宗教、思考スタイルなどさまざまな人々が存在するという事実です。

  • エクイティ:公平性
エクイティは、”Impartial treatment” (公正かつ公平な扱い) であると定義しています。誰もが同じスタート地点にいるわけではないことを認識しており、不均衡を是正する視点のことです。すべての人に対して同じような取り扱いをするのではなく、個々のニーズや状況に応じて適切な取り扱いを行うことで、公正さを実現されることを意味します。

  • インクルージョン:包摂
インクルージョンは、”A Choice” (選択) であると定義しています。多様な人々が受け入れられ、尊重されるかどうかは、組織や個人の選択にかかっているということを意味しています。

  • ビロンギング:帰属意識
ビロンギングは、”Affinity for an organization or people” (組織や集団に対する親近感) であると定義しています。


ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギングをダンスパーティに例えると

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギングをダンスパーティに例えると、次のようになります。

ダイバーシティ
誰もがパーティに招待される
エクイティ
出発地に関係なく、全員がダンスに参加できるようにするための交通手段を確保する
インクルージョン
一緒に踊りましょうと誘われる
ビロンギング
誰のダンススタイルも受け入れられる

もう少し詳しく ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギング

抽象的なこれらの概念が、ぼんやり見えてきましたか。では、一般的に言われている内容も追加して、もう少し詳しく紹介します。

ダイバーシティ
ダイバーシティとは、最も広い意味では、人はそれぞれに異なることを理解し、各自の違い(人種、民族、性別、性的指向、社会・経済的地位、年齢、身体能力、信仰、政治的信念、イデオロギーなどの特徴)を認識することです。

ダイバーシティの切り口には、さまざまなものがあります。代表的なものに、デモクラフィー型とタスク型があります。

  • デモクラフィー型ダイバーシティ
性認識・性的志向・生育環境・教育・地方・民族・宗教・国籍など、「属性」として扱われる多様性のことを指します。また、文脈によっては、それぞれの属性から生じる「文化 Culture」の多様性のことを指すこともある。
  • タスク型ダイバーシティ
経験・知識・能力など「実力」の多様性のことを指します。文脈によっては、本人が大事にする価値観なども含めた、 「内面のダイバーシティ」という広義で使われることもあります。

エクイティ
エクイティとは、人が生きていくにあたって、また各人が能力を発揮するに当たって必要となるリソース (資源) へのアクセスの公平性を担保することです。この前提として、多様性が高い組織や集団においては、その多様性ゆえに、情報や機会、人的・物的な資源へのアクセス度合いが異なると考えられます。そのアクセス度合いの不均衡を整え、対処することにコミットし、そのためのプロセスを進めることを含みます。

エクイティ (Equity) と同じようにEで始まる似たような言葉で、Equality (平等) とExcessive (過剰) があります。それぞれの違いを表したのが下図です。

身長差がある3人が柵の向こう側を見ています。
(1)配慮がない状態。
(2)Equality (平等):3人ともに同じ高さの踏み台を提供。1番背の低い人のみ向こう側を見ることができない状態。
(3)Equity (公平):1番背の高い人を除く2人に適切な高さの踏み台を提供。3人ともに見ることができる状態。
(4)Excessive (過剰):上記(3) Equity (公平) の状態に、1番背の低い人には椅子を提供。1人だけ座って見る状態。

インクルージョン
インクルージョンとは、個々の違いを受け入れ、強みを生かし、関与を促し、全員がそれぞれの最大の可能性を発揮できる機会を提供する、快適な環境を生み出すことです。ダイバーシティとセットで言及されることが多い概念です。

経済産業省の「多様な個を活かす経営へ」では、インクルージョンは下図のように定義されています。インクルージョンとは、職場の一員として認められており、自分の独自性や能力は組織の成功のために必要とされている状態のことです。

出典 経済産業省「多様な個を活かす経営へ」

ビロンギング
ビロンギングは、個人が組織や社会の一員であることを感じ、自身が受け入れられ、重要であるという感覚のことです。ダイバーシティやインクルージョンの取り組みがうまくいっている場合、個人はビロンギングを感じることができ、組織や社会の一部としての意識と関与を高めることができます。

ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン、ビロンギングの関係

ビロンギングをダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンが確実に実現できているかの指標にする組織が増えてきています。ビロンギングの実現には、ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンのすべてが必要です。



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