BLOG

目標とビジョン ~パリ五輪と奇想天外な計画~

パリ2024オリンピック・パラリンピックに感動

パリ2024オリンピック・パラリンピックに感動

連日、パリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会での日本勢のメダル獲得ニュースを見て喜び、感動しています。開催地がフランスということで時差の関係もあり、ライブで競技を見る機会は多くはなく、ハイライト映像や、ニュース映像での視聴が主になっています。

結果を残した選手のここまでの道のりや、注目されていたが、残念ながら結果を出せなかった選手のストーリー、けがをしながらもメダルを獲得した選手、判定に対する疑問など、おおむねオリンピックの話題というのを把握できていると思います。どこのテレビ局やニュースサイトでも扱われているような内容だけといえば、結局そうかもしれません。

ニュースとなるような出来事だけでも盛りだくさんあります。参加したアスリートの数で言えば、メダルを獲得していない人数の方が圧倒的に多く、その一人一人にドラマがあり、人生があると思うと、オリンピックというものはすごい祭典だなと改めて感じます。ここで敗れた選手も、次の大会でメダルを獲得した際には、今回の大会で敗れた後にどう立ち直ったのかなど、ストーリーとしてスポットライトが当たるかもしれません。

次がある、4年に一度開催するというのもオリンピックの凄いところですね。一人の視聴者としては、残すところ数日となり寂しい思いもあります。交代するように夏の甲子園大会が始まり、高校球児たちの躍動を見て胸を熱くしそうで楽しみはつきません。

目標を持つことの大切さ

アスリートたちが目標を持つことの大切さを語るのをよく耳にします。オリンピックのメダル、甲子園出場や、ワールドカップベスト4など、具体的な目標を持つことで今やるべきことが見えてきます。目標に向かうから頑張ることができ、それがやがて自分の夢につながるということだと理解しています。

企業研修でも同じように、目標設定の重要性を伝えます。個々の目標設定もそうですし、組織としてビジョンを持ち、共有することで個々の目標が明確になり、組織としての力が発揮できると考えられています。それが各人のモチベーションにも影響するのだと思います。

明確なビジョンを持ち、共有し、個々の適切な目標を設定するというのは、そう簡単ではありません。オリンピックのメダルほど明確で魅力的な目標というのもなかなか設定しにくいですし、かといってすぐに手が届く目標を設定してもあまり意味がありません。どのような目標を設定するかの前に、そもそも何をどうしたいのかというビジョンが重要と思います。

奇想天外な計画から素晴らしいビジョンへ

ビジョンで思い出すのが1年ほど前新聞記事です。読んだときは強烈なインパクトがあって、本当に驚きました。私が覚えていたのは、中東の水不足を解消するために、南極から氷山をボートで運んでくるという計画でした。今回改めてウェブで検索し記事を見つけました。

計画はこうだ。まず、衛星写真で海上を漂流している氷山を見つけ、その中から運びやすそうなものを探し出す。目星を付けている場所は、南極大陸から約2000キロ離れたオーストラリア領ハード島付近。理想は長さ2キロ、幅500メートル、高さ100メートルほどの平らな形をした氷山だ。

「標的」を見つけたら、2隻のタグボートで近づき、巨大な袋状の「ウオータータンク」で海底からすっぽりとくるむ。氷山を包み込んだら、上部のジッパーを閉じて「袋」の中に氷山を閉じ込める。このタンクは「特殊な素材」で作られ水を漏らさないため、運搬途中に氷山が溶けても水を無駄にすることはない。まだ実用サイズのものは完成していないが、アッシェヒさんはすでに英国でこのウオータータンクの特許を取得したという。

引用:毎日新聞2023年6月9日 東京夕刊
水不足「大風呂敷」が救う!? UAE男性、南極の氷山運搬計画 「飲めば環境保護にも」

アブドゥラ・アッシェヒさんは、アラブ首長国連邦 (UAE) の企業家だそうです。

「私には夢がある。アラビア半島の砂漠を緑の大地にすることだ。少し努力すれば、いま問題を解決できる」

その解決方法として、物理的に氷山を運んでくるという計画に、最初は冗談じゃないのかと笑いそうになりました。しかし、少しワクワクしたのも事実で、もし可能なら、いや、可能にするためには何が必要なのだろうかと、勝手に考えている自分がいました。1年たった今も、こうやってすぐに思い出すほど強烈なインパクトが私にはありました。ビジョンっておそらくこういうことなのだろうなと思いました。

アッシェヒさんは言います。

「私が狂っていると言う人もいる。だが、言わせておけばいい。反論する時間がもったいない。私の計画は、確かに成功を保証できない。それでも、少なくとも挑戦しようではないか」

とんでもない計画に感じましたが、1970年代にサウジアラビアが検討したことがあるようで、そこに関わった科学者からも助言を受けており、もしかしたら本当に達成するのではないかと期待しています。うまく運んで来られたら100万人の5年分の飲料水を確保できるとのこと、素晴らしいビジョンですね。

このビジョンによって心が動かされた人たちが、それぞれ目標を持ち、事が成し遂げられるのは、次のオリンピックより先なのか後なのか・・・

 

本ブログでご紹介した内容の詳細は、以下までお問い合わせください。
お問い合わせ:https://www.quintegral.co.jp/contact/

 

筆者紹介

山田 琢 Taku Yamada
クインテグラル株式会社

グローバルな仕事に従事しながら、国および企業文化の違いによる組織力の差に興味を持つ。それ以来、より良い組織を作るにはどうしたら良いのか、そもそも良い組織とは何かを探し求め、組織開発ファシリテーター・コンサルタント、企業内人事などに従事し、2018年より現職。人材育成の領域から、より良い組織作りに貢献することを目指している。

 


全プログラム オンライン対応

クインテグラルでは、豊富な研修プログラムを数多くご用意しております。ビジネス経験豊かな講師のもと、みなさまのビジネスを更に加速させるお手伝いをいたします。すべてオンラインでの対応も可能なため、環境に応じた実施方法をご選択いただけます。

プログラムラインナップはこちら

 

研修事例

・株式会社両備システムズ 様
全社を巻き込んだ次世代幹部候補の育成「事業がわかる、事業をつくる人」

・株式会社クラレ 様
クラレDNAを継承するグローバルリーダーの育成

・ピーロート・ジャパン株式会社 様
売上優先から顧客第一へ「人が育ち、人を育てる」企業風土の醸成

・中外製薬株式会社 様
2009年より連続採用、延べ1,000人以上が受けた新任マネジャー研修

・サンワテクノス株式会社 様
企業理念を体現するグローバルリーダーをオンラインで育成 ~海外ビジネス拡大を目指して~

・横河電機株式会社 様
女性活躍推進で、目指すは風土改革

その他の研修事例はこちら

お問い合わせ・資料請求はこちら

月曜日 ~ 金曜日 9:00~17:30

休業日:土曜日・日曜日、 国民の祝日、年末年始休日 (12/29~1/4)