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新任マネージャーが「やってはいけないこと」11項目【AMA U.S. 最新情報】
マネージャーになって、張り切ってやってみるものの何だか空回りしていると感じていませんか。どんなに優秀な人でも陥りがちな「やってはいけないこと」11項目をご紹介します。
*本記事は米国AMA (American Management Association) で配信されたものを、許諾を得て掲載しています。
「やってはいけないこと」11項目
- 部下に曖昧な目標を設定しない
- 誰かが失敗するたびにルールを作成してはいけない
- 厳しいことを言わなければならないとき、方針や経営陣の陰に隠れてはならない
- 部下を監視しない
- やっかいものにならないようにする
- 威圧してはいけない
- 無理難題を押し付けない
- 倫理に反することを部下に求めてはならない
- 家庭と仕事のどちらかを選ばせるようなことはしない
- 与える以上のものを求めない
- フィードバックを求めることをやめない
1. 部下に曖昧な目標を設定しない
新任マネージャーは、部下に明確な目標を設定しましょう。そうしないと、有意義で望ましい成果が得られず、お互いに誤解が生じ、恨みを買う可能性が高いからです。例えば、「今週中に」といった期限を守ることを明確にします。マネージャーと部下は共に、測定可能で具体的な目標を持ちましょう。
2. 誰かが失敗するたびにルールを作成してはいけない
誰でも失敗をするものです。新任マネージャーが犯しがちなミスのひとつは、それに過剰に反応してしまうことです。例えば、友人がオンラインゲームのリンクを送ってきて、ネットに気を取られたり、疑わしいメールを送るときに誤って「全員に返信」をしてしまったりといった大きなミスをすることがあります。たいていは一度きりのことなので、騒ぎ立てないことが一番です。
失敗したときは、1on1で実りある会話をしてください。何が悪かったのか、どんな問題が起こったのか、本人は何をすべきだったのか (あるいはしなかったのか) 、その理由について話し合ってください。部下にとって1on1が学びの場となり、どうすれば解決できるかがわかるようにコーチングしてください。
3. 厳しいことを言わなければならないとき、方針や経営陣の陰に隠れてはならない
組織の方針が理にかなっている場合は、それを支持し、なぜ守らなければならないかを部下に説明します。不合理または不当だと思うことがあれば、それを伝えます。部下が例外を求めたときは、その部下の要求が妥当だと思えば、部下のために行動します。妥当と思わなければ、その理由を説明します。きぜんとした態度で臨み、その理由を説明し方針を守ります。
4. 部下を監視しない
カメラや特殊なデバイスを使って部下を監視し、やるべきことをやっているか、規則に違反していないかを確認し続けるのは、多くの場合、間違っています。責任と信頼の原則を教え、育成しましょう。違反があった場合は対処してください。しかし、誰かが間違った判断をする可能性があるから、あるいは過去に問題があったからと言って、優秀な人材を疎外するようなことはしないでください。
このことは、部下がリモートワークやハイブリッドで働く場合にもあてはまります。誰もマイクロマネジメントされたくはありません。その代わり、信頼と尊敬を相互に築くことに力を注ぎましょう。
5. やっかいものにならないようにする
ささいな仕事を任せておいて、その人の背後から常に観察するようなマイクロマネジメントをしてはいけません。同様に、問題の兆候があるとすぐに慌てて責任を取り上げるのも良くないことです。むしろ、仕事がうまくいくように支援をします。「どのように」「何を」「なぜ」行うかについて明確な指示を与え、トレーニングを行いながら、責任の範囲を広げていきます。そして、各人のアカウンタビリティの向上につなげていきます。
6. 威圧してはいけない
どのような形であれ、脅しや威圧を用いることは弱いリーダーの証です。優れたマネージャーは、部下が活力と目的を持って働けるようなポジティブな職場環境を作ることで、チームと個人の責任感を高めます。威圧することなく、部下の責任とその成果についての良い点と改善点について話し合います。
7. 無理難題を押し付けない
要求の多い上司から無理難題を押し付けられたからといって、部下に物理的に不可能な仕事を押し付けるのはやめましょう。上司と交渉し、適切な結果を約束することで、その要求に対処する方法を見つけてください。そして、その約束を果たし、さらにそれ以上の成果を上げるために、必要なリソースを提供し、部下を支援していきましょう。
8. 倫理に反することを部下に求めてはならない
正しいことを行うのが困難な状況に部下を置いてはいけません。粗悪な仕事をしたり、欠陥を無視したり、報告書をごまかしたり、他人を誤解させるようなことは、決して頼んではいけません。部下の味方になって、部下は優れた仕事をし、組織に貢献したいと思っていると信じてください。原則を守り、より大きな成果につなげていきましょう。
9. 家庭と仕事のどちらかを選ばせるようなことはしない
優れたマネージャーは、病気休暇やその他の人事方針に関して、柔軟に対応しましょう。柔軟な対応を拒むと、規則に違反する人が出てきても不思議ではありません。その代わり、休暇の決定には常識と人間らしさをもって判断してください。部下の特に親しかった親戚が亡くなり、郊外の葬儀に出席する際にも、部下の親の葬儀と同じような配慮をしてください。入社したばかりの部下には、職を失う心配をすることなく、必要なときに病院に行くことを許可してください。
10. 与える以上のものを求めない
例えば、夜遅くまで働いて期日通りにプロジェクトを完了させたのに、出社が数分遅れただけで部下を問い詰めるようなことはしてはいけません。始業と終業の時刻を厳密に決めたいのであれば、前もってそれを明確にし、状況に応じた強制力を持たせてください。部下に組織の目標達成のために責任を持ち、遅くまで働いてほしいのであれば、始業時間についてとやかく言うのはやめましょう。その代わりに、何が本当に重要なのか、どのような時間の決まりごとや期待が必要であり適切なのかについて話し合いましょう。
同様に、部下がリモートワークやハイブリッドワークの状況にある場合は、仕事とプライベートの境界線を尊重する必要があります。このような場合、現実的にはオフィスでの勤務時間よりも長くなることが多いため、部下が必要とする個人の時間や適切なワークライフバランスを常に考慮する必要があります。
11. フィードバックを求めることをやめない
新任マネージャーは、自分の業績についてフィードバックを求めてください。フィードバックがないと、両者の間に誤解や誤認が生じ、恨みが募り、仕事がうまくいかなくなる可能性が高いからです。マネージャーは自分の長所と短所を把握し、部下のニーズによりよく応えられるよう、どのように行動するか考えなければなりません。例えば、とても繊細な部下やキレやすい部下に対して、すぐにイラついてしまうようなことです。
自分のマネジメントスタイルを理解する
マネージャーにとって最も重要な資質のひとつは、自己認識です。自分自身の長所と限界を認識します。自己認識がないと、間違いを認め修正したり、前向きな行動を起こしたりすることが難しくなります。これは、あなたのマネジメントスタイルに不可欠なものです。マネジメントスタイルとは、部下のやる気を引き出し、フィードバックを与え、指示を与え、コミュニケーションをとるといった部下との接し方の一般的なアプローチのことを指します。
評価と行動計画
この「やってはいけない11項目」リストを見直し、マネージャーとしての自分の立ち位置を客観的に評価しましょう。あなたが絶対にやらない「やってはいけないこと」には「プラス」を、自分がやってしまいそうな項目に「マイナス」を付けてください。
リストの「マイナス」を「プラス」に変えるための行動計画を立ててみてください。間違った行動をとる理由が、会社の方針やリーダーの期待によるものであれば、それらの方針の変更や例外を求めたり、話し合ったりすることも考えてみてください。もし、自分の行動が単に以前の上司から受け継いだ習慣や、自分自身で作り上げたものであるなら、その行動を変えるための計画を立てましょう。
さらに、部下から「こんなことをやってほしい」という建設的な意見を聞くのもよいでしょう。
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クインテグラルは、世界有数の人材育成コンサルティング組織であるAMA (American Management Association) の日本支社として営業を開始して以来30年以上、日本およびASEANでAMAプログラムを提供し続けています。