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営業力強化 ~バリューセリング (顧客と価値を共有し長期継続する関係) ~
営業力強化の問い合わせ
顧客から「営業を強化するために何かできないか?」と問い合わせがあり、ニーズをヒアリングしてきました。どうやら、営業パフォーマンスが高い人、中間の人、低い人がいて、中間層の営業のパフォーマンスを高めたいという話でした。そこで、パフォーマンスを高めるために貴社ではどのような能力が必要かと質問したのですが、明確な答えは得られませんでした。
そこで営業に関係する研修プログラムをいくつか紹介しました。しかし、顧客が求めているものはありませんでした。初回のニーズヒアリングは終了し、次回のミーティングで何かソリューションを提案することになりました。
営業に関する調査・研究結果
この状況で提案する上で、私は次のような仮説を立ててみました。顧客は営業パフォーマンスを高めるために必要な能力を特定できていません。必要な能力を論理的に提示し、その能力に関係する研修であれば、顧客のニーズを満たせるのではないかと考えました。
早速、国内外の営業に関する調査・研究を探してみました。数がとても少なくやっと見つけられたのが、『一橋レビュー2018年66巻3号』に掲載されていた「セールス研究の現状と営業研究の課題」「データから見えてくる日本の営業」の2つでした。
「セールス研究の現状と営業研究の課題」では、海外の研究を参照しながらさまざまな考察を立てていました。営業パフォーマンスが高い人は、低い人に比べて次の順番で能力が高いということです。
- 販売関連知識
- 適応能力
- 役割の認識
- 認知力
- ワークエンゲージメント
少し驚いたのが、よく言われる外向性や対人関係力などは、この研究結果では出てきませんでした。
ただし、これは海外の研究を基にした結論だったので、日本の営業を研究した「データから見えてくる日本の営業」を調べてみました。この研究結果では次の2つでした。
- 市場環境理解-戦略立案:顧客企業が展開する市場の動向について顧客と会話している。競合の訴求点を知っているなど。
- 事前準備:面談を想定して複数の話し方を用意している。自分が想定している顧客の裏付けを収集しているなど。
「データから見えてくる日本の営業」でも、対人関係力などは書かれておらず、顧客企業の置かれている状況理解や、その話をするための事前準備が結果として挙がってきました。
研修「バリューセリング」の提案
この2つの研究結果を基に、中間層のパフォーマンスを高めるために必要な能力は、顧客の現状分析力とそれに対する自社が提供できる価値を結び付けると定義しました。そこで今回は研修コース「バリューセリング」を提案することにしました。
このバリューセリングという言葉ですが、AMAでは下記のように定義しています。
「単に売り手と買い手という関係から脱却し、顧客企業にとっての新たなビジョン、戦略、構造、プロセス、バリュー (価値) を共有し長期に渡って継続する関係を構築することです。 すなわち、顧客の問題を自分の問題として捉え、それらの問題をともに解決することが双方の利益を生み出すのです」
AMAの定義に書かれていることができるようになるために、「バリューセリング」のプログラムでは以下の内容を学習します。
- 顧客の真の問題を特定する
- 顧客に対する提供価値を明確にする
- 顧客のプロファイルを作成する
- パートナーシップを構築する
- クロス・ファンクショナルチームを作る
- ソリューションを評価する
- 顧客との関係を継続する
- 付加価値戦略の構築
冒頭の顧客との2回目のミーティングで、研究結果と「バリューセリング」を提案しました。その結果、「バリューセリング」を採用いただきました。後日、顧客企業の人事の方から、顧客との関係構築に注力した今までの営業スタイルではなく、顧客企業の問題に寄り添った提案活動ができるようになったと伺っています。
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