管理職研修事例 中外製薬株式会社

2009年より連続採用、延べ1,000人以上が受けた新任マネジャー研修

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写真右から
中外製薬株式会社
人事部 人財育成グループ
グループマネジャー 藤林哲也様 北川剛之様

中外製薬株式会社では、クインテグラルの新任マネジャー研修を2009年より連続ご採用いただいており、延べ1,000人以上の方が受講されています。同社の新成長戦略「TOP I 2030」に向けて求める人財像や育成方針と合わせて、研修の成果について伺いました。

会社概要

社名:中外製薬株式会社
創業:1925年
資本金:732億円(2021年12月31日現在)
売上収益:9,998億円(連結、2021年12月期)
従業員数:7,664人(連結、2021年12月31日現在)
事業概要:医薬品の研究、開発、製造、販売および輸出入
URL:https://www.chugai-pharm.co.jp/index.html

事例の概要

新任マネジャーの育成
新任マネジャー育成パッケージ
オンラインでも集合と同等の研修効果
研修がマネジャー間の共通言語
新成長戦略「TOP I 2030」に向けて、求めるマネジャー像
ヘルスケア産業のトップイノベーター
自律支援型マネジメント
連続採用の理由は、内容が実践的で柔軟にカスタマイズ
実践的で柔軟な対応
「TOP I 2030」にむけた人財育成の目標
自律的な学びの風土醸成
講師の声
常に先を見越した経営トップからのメッセージ

新任マネジャーの育成

新任マネジャー育成パッケージ

現在、新任マネジャーにはどのような研修を実施されていますか。

北川様
弊社では、新任マネジャー育成パッケージと称してマネジャーとしてのマインド・知識・スキルを「自ら磨いて」成長いただくために、次のようなものを連動させた種々の機会を提供しています。そうした中、新任マネジャー研修は、マネジャーへの第一歩となる入口の研修として位置づけています。
本研修は、反転学習を意識して、グループワークを中心としたアウトプットを重視した構成にしています。クインテグラルには、マネジャーとして押さえておきたい知識やスキルの習得を目的としたプログラムの内、「マネジャーの役割行動とマネジメントスキル」を担当いただいています。

  1. マネジャーWebでの情報提供
    マネジャーに必要な情報へアクセスできるイントラサイト。新任マネジャーとして登用されたら、このサイトから必要な情報をキャッチアップ可能。
  2. 新任マネジャー研修
    「マネジャーとしてのマインドの醸成」と「マネジャーとして押さえておきたい知識やスキルの習得」を目的としたマネジャーへの第一歩となる入口に位置づけられる研修。
    1日目 2日目
    人事部長メッセージ
    人事関連セッション
    コンプライアンス・ハラスメント関連セッション
    マネジャーの役割行動とマネジメントスキル(クインテグラル実施)
    • モチベーションの要因を理解する
    • 効果的なコミュニケーション
    マネジャーの役割行動とマネジメントスキル(クインテグラル実施)
    • 組織管理(グループマネジメント)
    • マネジャーの役割と責任
    • 多様な人財をマネージする(人間理解)
    中外製薬労働組合関連セッション

    中外製薬グループのミッションステートメントと自身の価値観から自組織のビジョンを考える
  3. 振り返りの場の提供
    研修半年後、研修でのグループごとに集まり、マネジャーとして実践してみた半年間の振り返りや課題、悩みをマネジャー同士で共有。
  4. マネジャーフォローアッププログラム
    新任マネジャーが共通して直面する挑戦課題「部下育成・目的咀嚼 (そしゃく) ・政治交渉・多様な人財活用・意思決定・マインド維持・プレマネバランス」*に対してサポートする研修プログラム。マネジャー登用後3年間の期間内で希望者は受講可能。
    *『駆け出しマネジャーの成長論 7つの挑戦課題を「科学」する』 (中原 淳著 中公新書ラクレ)参照

オンラインでも集合と同等の研修効果

新任マネジャー研修は、2020年からオンラインでの実施となりましたが、その影響はありましたか。

北川様
アウトプット中心の研修なので開催前は不安もありましたが、ビデオ会議アプリの機能をフルに活用することを初めとしたさまざまな工夫により、集合研修と同等の効果を得ることができています。さらには、遠方の受講者からは、移動や宿泊の負担がなく、参加しやすくなったと聞いています。海外拠点からも受講が可能となりました。
一方、受講者間の関係性構築の観点では、オンライン懇親会の開催などいろいろと仕掛けは試みていますが、それだけでは不十分である、対面で会いたかったという声も上がっていますので、こちらについては引き続き検討しています。

研修がマネジャー間の共通言語

新任マネジャー研修は、延べ1,000人以上の方が受講されていますね。その成果はいかがですか。

北川様
研修で学んだことを実践に生かそうとする姿が見られます。研修で学んだことが、マネジャーたちの中で共通言語となっています。印象に残っているものを聞いてみると、次のものが挙がってきました。

  • チーム構築の4段階
  • ミッション、ビジョン、バリューを自分の言葉で伝える難しさ
  • SMARTな目標設定
  • モチベーションを高める行動科学的アプローチ
  • 影響力マトリックス©
  • パーソナル・スタイル
影響力マトリックス©は、上司、部下とのコミュニケーションで活用しているそうです。パーソナル・スタイルに関しては、自分のチームメンバーにもやってみて、自チームが、どんなタイプのメンバーで構成されているのか確認したりもしているそうです。

新成長戦略「TOP I 2030」に向けて、マネジャーに求める人財像

ヘルスケア産業のトップイノベーター

新たな成長戦略「TOP I 2030」(2021年~2030年)についてお聞かせください。

藤林様
「TOP I 2030」は、ヘルスケア産業の世界のトップイノベーターを目指す思いが込められています。“I”には、「イノベーター」に加え、社員一人ひとりが「TOP I 2030」の実現を目指す主役であるという「私=I」の2つの意味が重ねられています。


トップイノベーターに向けて具体的な目標は、「R&Dアウトプット倍増」「自社グローバル品毎年上市」です。ここで最も重要なカギは、人財です。社長の奥田も常々『やっぱり、ひと』と話しています。イノベーションを起こすのは人であり、社員一人ひとりが価値創造の原動力だからです。

自律支援型マネジメント

ヘルスケア産業のトップイノベーターになるために、どのようなマネジャー像を求められていますか。

藤林様
マネジャーには、自律支援型マネジメントを求めています。部下の自律性向上と成長支援に主眼をおき、1対1の対話や助言を通じて、部下の持っている能力を最大限に引き出してほしいと考えています。自律支援型を求める理由は、先が見えない時代の中、部下に直接指示をするだけではなく、部下が自分で考えて働くことができるように後押しをしてほしいからです。そこで、新任マネジャー研修では、部下に寄り添ったコミュニケーションができることを目指しています。

また、弊社では「働きがい改革」も進めています。働きがいを実感してる社員は、会社のビジョンや目標の実現・達成に向けて、自発的・能動的に行動することができます。マネジャーは、メンバーの自律と成長を促し、働きやすい環境をつくり、各メンバーの良さを引き出すといったことも求められます。研修の中で、マネジャーの役割についても取り上げています。「TOP I 2030」は、非常に高い目標です。1人でも多くの社員が活躍してこそ達成できるものです。

弊社の他のお客様の研修と比べて、貴社の新任マネジャー研修では、「イノベーション」という言葉が頻出します。製薬業界トップの営業収益率は、このような点からも表れていますね。

北川様
収益率には、さまざまな要因がありますので一概には言えませんが、新任マネジャー研修も貢献できているのであれば嬉しいです。

連続採用の理由は、内容が実践的で柔軟にカスタマイズ

実践的で柔軟な対応

クインテグラルの研修を2009年から連続ご採用いただいている理由をお聞かせください。

藤林様
非常に実践的であることです。グループワークで、自ら発言し、他の人の意見も聞くことで、多くの気づきを得ることができます。「主体的」「相互研鑽 (けんさん) 」の場となっています。この2つのキーワードについては、後ほど部門目標で詳しくお話します。
さらに、講師のファシリテーションによって、それらがより高められています。受講者は、講師の話を関心もって聞いていますし、受講者満足度も高いです。

北川様
弊社の経営戦略や人事戦略をご理解いただき、戦略に沿った研修内容へ柔軟に変えていただいている点です。経営環境によって、戦略や経営者からのメッセージも刻々と変わってきますが、機動的に研修内容にも反映してもらっています。他の研修会社では、なかなか難しいですね。

毎回、研修終了後、貴社からフィードバックを受け研修内容を見直しています。スライドは、1年に1回以上更新しています。研修をより良いものにしたいという貴部門の熱い気持ちは、他に類を見ません。その思いは、どこから来るのでしょうか。

北川様
会社として、人財育成の重要性を認識しています。私個人としても、自律支援型マネジメントの必要性を心から感じています。また、私自身、本研修の受講者でもあります。受講者の立場で感じたことを、今度は事務局の立場でより良いものにしたいと思っています。

「TOP I 2030」にむけた人財育成の目標

自律的な学びの風土醸成

2030年にむけて人財育成部門の目標をお聞かせください。

藤林様
私ども人財育成グループとしては、自律的な学びの風土を醸成していきます。全社人財育成戦略には、下図のように学びの5つのステップがあり、このサイクルをまわして社員の成長を支援していきます。

5つのステップの基礎となるのが、「主体的」「Future Skilling(学びの方向性)」「相互研鑽」です。「Future Skilling(学びの方向性)」とは、全社共通コアスキルを土台として、専門スキルの深化やリスキリング、複数のスキルの軸をベースにマネジメントスキルを高めるなどの方向性で、キャリアを更新し続けることです。いくつになっても学び続けて、会社の目指す目標達成の原動力になってほしいと思います。

講師の声

クインテグラル株式会社
パートナー講師 上田 禎

常に先を見越した経営トップからのメッセージ

2009年から新任マネジャー研修を担当させていただいています。今までに4つの中期経営計画と現在の「TOP I 2030」に沿って研修を行っています。新任マネジャー研修は、1年間に2度行われます。その時の中期経営計画に応じて、常に経営トップからのメッセージが更新され続けます。可能な限り、そのメッセージや狙いを反映させながら研修を行っています。私がいつも感心させられるのは、メッセージが常に先を見越したものであること、そして人事部の皆様がメッセージを浸透させることに常に努力されていることです。今後も戦略浸透のお役に立てるように研修を実施していきたいと思います。

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