クロンプトン・グリーブス社
自社の次世代リーダーに求められる能力を明確にし、強化する
- 次世代リーダー育成
- ハイポテンシャル
導入の背景
会社紹介:
クロンプトン・グリーブス社(www.cgglobal.com)は、1937年にインドで創業しました。資本金30億USドル、アバンサ・グループ傘下にある民間企業としてはインド最大の電気機器メーカーです。
現在は複数の外国企業を買収し、高品質な電気機器のグローバルサプライヤーとして急成長しています。
電力システム、産業システム、コンシューマープロダクツを3本柱に幅広い製品を提供しています。
クロンプトン・グリーブス社は、送電・配電市場における総合的なソリューションと、ナレッジベースの優れた製品・サービスを世界中の顧客に提供することを使命としています。
同社はオーガニックグロース(自立的成長)とM&Aを通じて、グローバル展開を広げる戦略を取っています。そのためには、社員が将来にわたって会社を牽引し、成長するスキルと能力を身につけることが不可欠であり、会社としてもその点を最も重要視しています。
マネージングディレクターのSudhir Trehan氏は、「世界規模で買収を重ねてきたクロンプトン・グリーブスが今直面しているのは、リーダーシップの不足です。国や地域に関係なく、グロー バルに活躍できるマネジャーが足りません。グローバルリーダーの候補生を集めてトレーニングを行ない、実践的な経験を積ませ、地域ごとに異なる文化に直接 触れさせることは、長い目で見てかならず役に立つと思います」と述べています。
クロンプトン・グリーブス社は、将来リーダーシップを発揮できそうなポテンシャル人材を選出し、彼らの能力開発のためにMCE(Management Centre Europe)に協力を依頼しました。クロンプトン・グリーブスのコーポレート・セクレタリー、コーポレートHRであり、監査委員会の一員でもある Jean Steensels氏は次のように述べています。
「MCEに依頼したのは、同社がグローバルに力を発揮しており、顧客に合わせたソリューションを提供する能力があると判断したからです。そのソリューションを開発し、提供する際に、ビジネスに精通した講師もいます。MCEならば、我々が思い描いた通りのリーダーシッププログラムを開発してくれると思いまし た。」
このプロジェクトを主導することとなったMCEの講師は、大手グローバル企業とのビジネス経験も豊富でした。
提供したソリューション
クロンプトン・グリーブスの現状を理解する |
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最初の話し合いは、MCEとJean Steensels氏、それにクロンプトン・グリーブス パワーシステムズのCEOであるDileep Patil氏の三者で行なわれました。業界全般の事情を知るとともに、クロンプトン・グリーブスの組織についての情報も収集し、その機動性や戦略を理解し ました。さらにMCEは、現在行なわれている活動内容、プロセスや手順について、さらには企業戦略の実行に絡んだ人材の課題についても確認しました。
クロンプトン・グリーブスのニーズを理解する |
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顧客にトータルソリューションを提供することによって、グローバルに成長する――これがクロンプトン・グリーブスの戦略です。それには国境という枠 にとらわれないグローバルな視野が求められます。製品ベースの戦略しかない企業から、製品に付加価値を付与し、顧客に特化したソリューションを提供する企 業へと脱皮しなければなりません。当然社員にもこれまでと異なるスキル、能力、行動が求められます。
選ばれたリーダー候補者たちをよりよく理解するために、MCEは地域・部門を代表する副社長全員に個別面接を行ない、次の点を明確にしました。
- 強みと弱み、および今後の改善点
- 将来リーダーシップを発揮するために伸ばしておくべきスキル
また、今後開発が必要なのは以下の領域であることが明らかになりました。
- 変化するグローバル環境が、企業の戦略や目標に与える影響
- グローバルな組織の構築力と管理能力
- 新規事業を統合する能力
- 変化への対応力とグローバルチームのリーダーシップ
- 多文化、異文化に対応する能力
クロンプトン・グリーブスに最適なソリューションを決定する |
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MCEとクロンプトン・グリーブスは、「グローバル組織を率いるために」と題されたソリューションを、次の3つのモジュールで展開していくことで合意しました。
- 戦略的リーダーシップ - 動きの早いグローバル環境に対応した戦略的アクション/イニシアティブを実行する
- 優れたオペレーション能力 - 競争力のあるプロセス、組織構造、インフラを整える
- パフォーマンス管理 - 財務、オペレーション、顧客対応、人事に関する目標が、パフォーマンスによって評価される企業文化
各モジュールは8日間に亘り、泊りで実施されます。場所はベルギー、インド、アメリカと、異なるロケーションで実施されます。
MCEの提案は、クロンプトン・グリーブスのグローバルHRカウンセルの支持を得ました。またカウンセルからの提言の一部は、ソリューションの最終版に盛りこまれました。
クロンプトン・グリーブスのためにソリューションを開発し、実施する |
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MCEのアプローチに従い、ワークショップは可能な限り参加型とし、実践的な内容となりました。具体的には次の通りです。
- 戦略的に重要な分野でケーススタディ(たとえば風力エネルギーの市場開拓戦略など)を導入。参加者は4人一組で8日間活動し、最終日に学んだ成果をCEOの前で発表する。
- グローバルリーダーシップ経験のあるCEOレベルのゲストを招き、知識や経験を語ってもらう。
- 主要顧客に戦略を論じてもらい、クロンプトン・グリーブスがこの先効果的に協力する道を探る。
- 最新のビジネス文献をあらかじめ読みこみ、その知見を学ぶ。
- チームビルディングと多文化に接するイベントの実施。
各ワークショップは地域の副社長が開始を宣言し、最終日にCEOが締めくくることで、上級役員の本プロジェクトに対するコミットメントを示してもらいました。
モジュールのあいだの期間に、各チームはリモートで新興市場への参入といった戦略的プロジェクトに取りくみます。講師はテレビ会議や月次の進捗レビュー時に、コーチングを実施し、各チームをフォローアップします。
チームがまとめた所見や提言は、次のモジュールでCEOをはじめとするトップチームに発表します。それがビジネスとして通用するものであれば、将来の戦略的思考や計画に採用されることもあります。
モジュール1:戦略的リーダーシップ |
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戦略的リーダーシップをテーマにしたモジュール1は、2008年11月にベルギーで行なわれ、インド、ベルギー、アメリカ、カナダ、アイルランド、ハンガリー、インドネシアなどから参加者が集まりました。
期間中3日間は、専門的なビジネス経験があり、当該テーマの知識が豊富な講師(プロジェクトのリーダー講師以外の者)が担当しました。これによってモジュールの質はさらに高まり、扱うテーマの問題や課題について専門家ならではの視点を加えることができました。
モジュール1では以下のようなテーマを扱いました。
- 戦略的コンテキスト
- 競争戦略
- ブルーオーシャン戦略とイノベーション
- 成長
- グローバルな組織
- 文化の壁を越えたリーダーシップ
- 戦略の実行
- 変化の中のリーダーシップ
Result 結果
参加者からのフィードバックは良好で、評価もきわめて高いものでした。
Dileep Patil氏がとくに感銘を受けたのは、最終日に行なわれた発表の充実ぶりだと言います。
「5グループはどれも分析、戦略的な洞察、発表技術の質が高く、学んだことを実践しようという意欲をひしひしと感じました。今回の成果を土台として、さらに良いものを築いていかなくてはなりません」
次回のモジュールはインドにおいてオペレーショナルエクセレンスをテーマに、その後は米国でパフォーマンスマネジメントをテーマに実施予定です。
全体が3つの大きなモジュールからなるこのプログラムは、ハイポテンシャルなリーダー候補者20名が対象です。今後はクロンプトン・グリーブスが世界各国から選んだ別の20名にも同様のプログラムを実施予定です。
このソリューションは、AMAの欧州支社であるMCE(Management Centre Europe)が提供したものです。
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