DXと複線型人事制度に対応した管理職研修
マネジメント研修にDXの意識向上と部下のキャリア自律支援を追加
- キャリア自律
- DX
- マネジメント
- 管理職
サマリー
A社は、各種プラント・施設の設計・建設などを行うエンジニアリング会社です。A社では、経営幹部の早期育成、複線型人事制度の導入、DXの意識向上などの課題がありました。そこで、クインテグラルは、以前から提供してきたマネジメント研修に、キャリア自律支援とDXの内容を追加し実施しました。
課題
経営幹部の早期育成
ビジネス環境が厳しいVUCA*の時代、過去の延長線上に未来はありません。今まで以上に、マネジメントの質、スピード、柔軟性を高める必要があります。A社においても、経営幹部候補の早期育成は喫緊の課題です。
* VUCAとは、もともと1990年代に軍事用語として生まれた言葉で、現代ではビジネス用語としても使われるようになっています。以下の4つの単語の頭文字をとったものです。
V 変動性(Volatility)
U 不確実性(Uncertainty)
C 複雑性(Complexity)
A 曖昧性(Ambiguity)
複線型人事制度への移行とキャリア自律
これまでの単線型人事制度から複線型人事制度へ移行しました。技術職の多いA社では、技術専門職の道もキャリアとして正式に用意し、管理職と同等の処遇としました。
また、個人のキャリアについても考え方が変わってきました。キャリア自律は、社員が自分のキャリアを会社に委ねるのではなく、自ら考え、自己研さんを行い、主体的に取り組むものです。A社でもキャリア自律を推進しています。
VUCAの時代、社員一人一人が自律的に動き、変化に柔軟に対応しなければなりません。管理職は、部下の自律を促し能力を引き出す役割を担っています。複線型人事制度の元、今まで以上に管理職は部下のキャリアを支援していかなければなりません。
DXへの意識向上
A社の業界として、サーキュラーエコノミー(循環経済)*への対応が求められています。この実現のためにはDXは不可欠です。A社の一部門では先行してDXが進んでいますが、全社で見るとDXへの危機意識が乏しく、取り組みができていません。まずは管理職がDXの基礎知識を身につけ、事業を推進していく際に常にデジタルを意識させる必要があります。
* サーキュラーエコノミーとは、従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化などを通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止などを目指すものです。(環境省のWebサイトより引用)
将来的に、管理職に期待される役割は下図の「デジタル変革人材」です。デジタル変革人材には、変化への対応力、企画構想力、リーダーシップ、そしてデジタル思考力が求められます。
研修内容
対象:部長職
期間:3日間
目的:
- 将来の経営幹部として、必要なマネジメントと戦略策定のスキルを習得する
- 部下のキャリア自律を支援する
- デジタル変革人材の第一歩を踏み出すために、DXについての基本的知識を身に付け、業務にどう活用できるかを学ぶ
研修の全体像
事前課題
管理職として必要な基礎知識は、研修前に自己学習をします。その結果、研修ではアウトプットの時間を多くとることができ、高い研修効果が期待できます。- A社中期経営計画
- 課題図書(戦略思考、財務会計、マネジメント基礎)
- DXの基礎(eラーニング)
- 研修事前ワーク
研修
合計3日間で、以下の研修を実施しました。
マネジメント研修 1日間 |
・マネジメントとは ・リーダーシップ ・モチベーション管理 ・組織の育成 ・変革のマネジメント |
キャリアデザイン ワークショップ 0.5日間 |
・キャリアの考え方 ・部下のキャリア開発に関わる ・コーチング |
DXワークショップ 0.5日間 |
・DXとは ・DXの事例 ・DXを考える ・具体的にDXを考える |
戦略策定研修 1日間 |
・戦略の考え方 ・分析のフェーズ ・創造と選択のフェーズ ・展開のフェーズ |
事後課題
研修で学んだことを実務で活用するため、各自アクションプランを作成し、各職場で実践します。研修1カ月後に、アクションプランを実践した成果や課題などを研修参加者同士で共有します。継続的に研修参加者同士でピアコーチング*を行い、アクションプランの見直しや改善をしながら職場で実践していきます。研修参加者は、研修で学んだことがお互いの共通言語となり、高いコーチング効果を得ることができます。
* ピアコーチングとは、メンバー間で行うコーチングのことです。
クインテグラルの強み
クインテグラルは、100年以上続く世界有数の人材育成コンサルティング組織AMAの研修を日本で唯一提供しています。
クインテグラルは、数年前より連続してA社にマネジメント研修を提供しています。A社のニーズに柔軟に対応し研修の提案・実施をしている点と、実務経験豊富な講師への高評価が毎年ご採用いただいている理由です。
今回、新たにDXとキャリア自律支援の内容を追加して研修を実施しました。DXについては、IT研修を主軸とするグループ会社のトレノケートのeラーニングを活用しました。
今後も、お客様の「戦略を実現する人づくり」の支援をしてまいります。