会社概要
社名:ピーロート・ジャパン株式会社
事業概要:ワインと洋酒の輸入・販売ワインバーの経営
ホテル・レストラン、酒販店等への卸販売
URL:https://pieroth.co.jp/
ワインインポーターのピーロート・ジャパン社は、これまでの営業成績優先から、顧客ファーストのために「人が育ち、人を育てる」企業へと大きく舵を切ろうとしています。この変革を加速化するために、クインテグラルのマネージャー研修を採用されました。企業課題と合わせて、研修の成果などをお伺いしました。
社名:ピーロート・ジャパン株式会社
事業概要:ワインと洋酒の輸入・販売ワインバーの経営
ホテル・レストラン、酒販店等への卸販売
URL:https://pieroth.co.jp/
事例概要
マネージャー育成に力を入れられている理由をお聞かせください。
齊藤社長
私どもは、ワインを個人のお客様、レストランや流通向けに直接販売をしています。お客様との対話と試飲に基づくユニークな販売スタイルをとり、北は北海道から南は沖縄まで35カ所に営業所を展開しています。
これまで、マネージャーは営業成績のみで評価されていました。その結果、お客様の満足よりも販売することを優先する、ややもすれば押し売りと取られかねない事態を招いていました。結果、部下に対しても、数字で追い立てるようなマネジメントが主流で、営業成績の良い人がマネージャーに昇格するため、このサイクルが会社の中にまん延している状態です。
このままでは、社員もお客様もだめになってしまいます。お客様に喜ばれる営業スタイルにするには、提案スキルや接客スキルを高めることが不可欠です。そのため、人が育ち、人を育てる企業への転換を志した人材運営を始めたところです。
各営業所のパフォーマンスやメンバーのやる気などは、営業所のマネージャー次第です。私の目が、すべての営業所に届くわけではありません。組織は、そこの長の器以上のものにはなりません。「人が育ち、人を育てる」企業風土へ変えるために、信じて任せることができるマネージャーをどれだけ育成できるかが、大きな鍵となるわけです。
人が育ち、人を育てる企業風土へ変わるために、貴社で求めるマネージャー像についてお聞かせください。
齊藤社長
求めるマネージャー像は、人を育てる、日々誠実に仕事をする、職場の良い雰囲気をつくる、困っている人にはケアをする、そして、結果としてしっかり営業成績を上げる人物です。マネージャーが、数字に追われるのではなく、お客様のため、チームのためになると思って仕事に取り組めば、その姿や思いは部下が毎日見ています。マネージャーが正しい背中を見せれば、良い規律が生まれ、職場の雰囲気も良くなり、結果としてチームの力を最大化できます。
端的に言えば、「この人と一緒に働きたい」「この人についていきたい」と思えるかです。これは、部下を数字で追い立てるのとは全く異なる姿です。
今回、クインテグラルの提供したマネージャー研修は、いかがでしたか。
齊藤社長
人が育ち、人を育てる企業風土へ変わろうとしている中、弊社の課題にあった内容を提案していただきました。これまでのマネージャーには、直接的には部下育成が求められてきませんでした。いきなりの方向転換で「何をどうすれば良いのか」と、戸惑っているマネージャーも多くいます。営業成績も、「自分が販売した方が早い」と感じることもあるでしょう。しかし、マネージャーが一人でどんなに売っても、成長した部下が作る総和の売上にはかなうはずがありません。
まずは、部下を育成して、最大限に能力を発揮できるようサポートし、人の力を使って成果を上げるマネージャーになってほしいと思っています。まさに、本研修は弊社の方向性に合った内容のものでした。
齊藤社長
私自身、以前コンサルティング会社にいて、研修講師の経験もあります。そのため、研修に対しては辛口の評価になることが多いのですが、クインテグラル社の研修は、プログラム内容も講師も良かったですね。研修には終日参加しましたが、内容はしっかりと組み立てられており、講師は話し上手で飽きさせない上に、上から目線ではなく、逆に過去の自分の失敗を気さくに語ってくれていました。
土山様
研修参加者から、研修で学んだことを職場で即生かしていると聞いています。研修で紹介されたパーソナル・スタイル*を部下にもやってもらい、円滑なコミュニケーションをはかっているそうです。
*「パーソナル・スタイル」とは、対人関係と成果に対する志向性を分類したもの。
乾様
私も本研修を受講しました。講義だけでなく、カードを使った演習やグループディスカッション、演劇などさまざまなワークが組み込まれていたのが印象的でした。人の行動に影響する「行動の強化」「行動の弱化」の話が勉強になりました。仕事だけでなく家庭でも生かしていますよ。
セールストレーニングサポート課 課長 乾 芳彦様
(取材時はオンラインでご参加いただきました。)
マネージャー研修の内容は、クインテグラルの「エッセンシャルマネジメントスキル」2日間と「協働的リーダーシップ」2日間の研修の中から、特にピーロート社が必要とされる項目で構成されています。
期間:2日間
対象者:数名の部下をもつ課長職
形式:対面研修
開催数:対象者を2回に分けて実施
1日目:「エッセンシャルマネジメントスキル」2日間より抜粋
目的 |
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内容 |
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2日目:「協働的リーダーシップ」2日間より抜粋
目的 |
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内容 |
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土山様
マネージャーが部下の感情をより深く理解し、モチベーションを高めることができるよう、次回は「EQ(心の知能指数)リーダーシップ」研修を開催予定です。
土山様
今までは、研修を企画する側と受講者側に、正直温度差を感じることがありました。会社のトップの指示と研修内容がずれていると、現場は非常に混乱します。その点、齊藤社長は、実際に研修に参加をされて、講師が説明した後「当社にあてはめるとこういうこと」と補足をしてくれました。齊藤社長の考え方とクインテグラルの研修内容がとてもリンクしており、齊藤社長の考えも研修講師の説明でより一層深く理解でき、研修と実務との乖離 (かいり) がなくなったと、受講者も感じていたと思います。
乾様
弊社のように全国に営業所があると、顔は知っていても話をしたことがない人や、顔さえも知らない人が多くいます。研修の内容に加えて、研修でのグループディスカッションや研修初日の夜の懇親会で、横のつながりが強化されたのは良かったですね。
人が育ち、人を育てる企業風土へ変わるために、マネージャー研修以外に取り組まれていることがありますか。
土山様
テーマごとに社内のスペシャリストが、自身の経験をもとに話してもらう「ピーロートアカデミー」というオンライン研修を作っています。強制ではないのですが、毎回、200名以上の社員が参加しています。参加者は営業部門だけでなく、管理部門からも積極的に参加をしてくれています。テーマは、ワインの知識・お客様との関係構築・モチベーションなど、さまざまです。
齊藤社長
ピーロートアカデミーは、弊社にとって画期的なことです。これまでは、営業成績だけで評価がなされる中、社内であっても営業同士はライバルであり、各人のノウハウを開示することはありませんでした。このアカデミーでは、これまで門外不出であったノウハウを惜しみなく提供してもらいます。講師を担当した社員は、「準備は大変だったが、講義の準備をすることで、自身の頭も整理された。やって良かった」と言っています。
これまではマネージャー個人にも、売上目標を課していたため、部下の指導よりも自分の数字を作る方に集中しがちでした。今年度から、マネージャー本来のマネジメントの仕事に専念できるよう、マネージャー個人への売上目標はなくなりチーム目標に変えました。
人が育ち、育てる風土への大きな変化の中で、社員としてどのように感じられていますか。
土山様
今、やっと会社が正しい方向に動き始めたと感じています。今まで十数年ずっと、営業とはこういうものだと割り切って仕事をしてきましたが、本来あるべき姿に向けて、ようやく光が見えたという印象です。
乾様
お客様の満足を優先し、良い関係が長く続くことにシフトしていっています。これまでの考えはそっと置いて、新しい思考へと、私自身も発想転換をはかっているところです。
皆様の今後の目標をお聞かせください。
土山様
今年から研修担当に変わり、日々、自分自身の成長を実感しています。まだまだ微力ですが、私が日々の成長で充実感を味わっているように、社員一人一人が成長を実感できるような会社にしていきたいと思います。クインテグラル様にもご協力いただき、研修制度もより一層充実させていきたいと考えております。
乾様
部下の悩みに寄り添い、部下の腕を日々高めることができるマネージャーを多数育成していきたいと思います。上司と部下が建設的に言いたいことを言える環境、言い換えれば心理的安全性が確保された営業所を多く作っていきたいですね。
齊藤社長
人が育ち、人を育てるが当たり前の会社にしていきます。組織風土への変革を始めたばかりで、登山でいえば、1~2合目当たりです。社員にとっては、宗教を変えるくらい大きな変化です。私が言わなくても、全社員が「当社は育ち、育てるが当たり前だよね」と口にするようになるまで推進していきます。
クインテグラルに対してのご要望をお聞かせください。
齊藤社長
研修を実施する前に、事前の打ち合わせで、弊社の置かれた状況を理解していただけると、講義内容が日々の実務とよりリンクすることになると思います。
土山様
今後も、弊社の組織課題に合った、実務ですぐに使える研修を期待しています。上田講師のようにわかりやすく、親しみやすい頼れる講師陣とともに、より実務的な研修を提供してほしいと思っています。
ピーロート社では、個人のお客様宅に訪問して試飲を提供しながら、ワインを販売されています。営業として、モチベーションを維持するのが難しいお仕事のように思いました。そこで、齊藤社長に率直に聞いてみました。
齊藤社長
ワインは嗜好品 (しこうひん) です。どのような場面で誰と飲むのか、どのようなワインが好きなのか、ワインにどのぐらいのお金をかけたいのかなどは、お客様ごとに異なります。ワインとは、楽しい時間を過ごすために求めるものです。お客様のことをきちんと理解し、要望に合うワインを提案すること、さらにお客様の要望をこえた提案をすることは、本来はとても楽しいことです。お金をいただくのにお客様から感謝されることも多々あるはずです。
ワインは、モノ消費のようで、「コト消費」の色彩が強いものだと思います。例えば、洋服を買ったときに店員さんとの楽しい会話があれば、袖を通す際にその会話を思い出して、気分が良くなるのと同じ話です。ワインを開けるとき、弊社の営業との会話やその場面を思い出して楽しい気持ちになってほしいです。そして、また、ピーロートの○○さんから買いたいと思っていただけるのが理想です。お客様がニコニコしていれば、自然と売上はついてきます。人が育ち、人を育てる企業風土が、お客様の笑顔を作る力につながると良いなと思います。