会社概要
社名:サンワテクノス株式会社
資本金:37億2,700万円 (2022年3月末日現在)
業務内容:産業用エレクトロニクス・メカトロニクス関連の装置・機器・部品を取扱う独立系技術商社
従業員数:連結 1,039名 単体 588名 (2022年3月末日現在)
URL:https://www.sunwa.co.jp/
サンワテクノス株式会社では、社是「人を創り 会社を興し 社会に尽くす」の浸透と経営戦略の実行のためグローバルリーダー育成に着手されました。研修に込めた思いや研修成功の鍵について、お話を伺いました。
社名:サンワテクノス株式会社
資本金:37億2,700万円 (2022年3月末日現在)
業務内容:産業用エレクトロニクス・メカトロニクス関連の装置・機器・部品を取扱う独立系技術商社
従業員数:連結 1,039名 単体 588名 (2022年3月末日現在)
URL:https://www.sunwa.co.jp/
事例の概要
グローバルリーダーの研修を計画された背景をお聞かせください。
髙橋様
2019年、第10次中期経営計画重点施策として、海外現地社員の登用と組織力の強化を掲げました。目的はグローバル事業の新規マーケットの開拓と拡大です。そこで、グローバル経営を担う人材を国内外でスピードを持って育成する必要がでてきました。
松岡様
新規マーケット拡大には、海外の現地企業とのビジネスを進めなければなりません。日本人だけでは、なかなか難しいことです。弊社は海外現地法人の現地化を進めており、その地域や国に根差した企業になることを目指しています。そのためにも、現地社員の登用と組織力の強化が重要な課題です。
髙橋様
日本採用、海外採用を問わずハイポテンシャルな人材を選抜し、サンワテクノスの企業理念などに沿った、リージョン・カントリーの経営を担える人材を育成することを目的に研修を検討しました。
今回、実施されたグローバルネクストリーダー研修は、どのようなものですか。
髙橋様
研修の対象者は、中国、アジア、欧米、日本から選抜されたマネジャーです。研修は、下記のように3つのフェーズに分けて開催しました。重視した内容は、企業理念や文化の理解とリーダーシップ開発です。計画当初は、全員が日本に集まって研修を受ける予定でしたが、新型コロナウイルス感染症 (COVID‑19) のためオンライン開催となりました。
事前課題 |
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2020年10月 研修5日間 |
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赤字箇所はクインテグラル実施
*サンワスピリッツとは、サンワテクノスの社員として最も大切にするべき全社員共通の姿勢・価値観(マインド)と行動(スキル)を定めるものです。
2020年11月 受講報告 |
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2020年11月~2021年12月 |
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アセスメントはクインテグラル提供
事前課題 |
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2022年3月 研修3日間 |
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上記3日間のファシリテーションと赤字箇所をクインテグラルが実施
研修では企業理念を重要視されたのは、なぜですか。
松岡様
日本と海外とでは文化が異なります。偏見的な考えですが、社員間の連携力やチームワークは弊社の日本社員の方が得意と思います。海外の社員に、弊社の日本的な社是「人を創り 会社を興し 社会に尽くす」を理解し、心の底から納得してほしいという願いからです。
髙橋様
弊社は、家族経営のスタイルから始まった会社です。社長の田中が「会社は社員一人一人の『点』の集まりではなく、家族のようにつながって大きな力となっていく」とよく話をしています。会社の方向性や目指すゴールを支えるのが企業理念です。
実際に、海外の社員と話をしていると、家族的な雰囲気で居心地が良いと言っています。例えば、社長が海外の社員の名前を覚えていて、話しかけてくれるといったことが非常に嬉しいそうです。
研修終了後、参加者やその周辺の反応はいかがでしたか。
髙橋様
参加者の満足度は高いです。「報連相」や「根回し」といった日本的な仕事のやり方の理解が深まったことや、リーダーシップに必要なスキルを学習できたことなどを挙げていました。研修のフェーズ2で、オンラインネットワーキングをマンスリーで参加者に主体的に開催させたことで、横のネットワークができたことも大きな成果です。
研修の最終日の発表会には、経営層はじめ海外の拠点長も全員参加しました。これは嬉しかったですね。会社として、本気でグローバルリーダーを育成しようとしていることが伝わってきます。研修終了後、海外拠点長から「次はいつ研修が開催されるの? 参加させたい社員がいるから」と言われました。きっと、参加者が成長する姿を目の当たりにしたのでしょう。
奥山様はグローバルネクストリーダー研修を受けられて、いかがでしたか。
奥山様
仕事で海外とのつながりがなかったので、研修前は不安でいっぱいでした。価値観の違いなどから、参加者同士のコミュニケーションが取りづらいのではと心配していました。
いざ、研修に臨んでみると、楽しかったですね。海外の参加者の前向きな姿勢に圧倒されました。海外の参加者は、会社や日本のことを貪欲に知ろうとしたり、会社を良くしたい、自分たちのチームが楽しく働くにはどうすれば良いのかを真剣に考えたりしています。リーダーシップに関して、異なる考えを聞いて良い刺激を受け、実際に私の行動も変わりました。
研修中、私がチームを代表して発表をすると、海外の社員から「ありがとう」や「良かった」と言ってくれたのが、嬉しかったですね。日本人同士では、思っていてもなかなか言いません。言葉で表現することは大切です。また、講師のカットワールさんが、終始、温かい雰囲気で研修を進めてくれたのも良かったです。
研修終了後、全員で記念撮影をされました。社長も含めて全員で「変顔」の写真も撮られたそうです。
研修は大成功ですね。成功の鍵を教えていただけますか。
髙橋様
研修成功のポイントは次の4つです。
研修を実施するにあたり、社内のキーパーソンを巻き込みました。研修事務局は、人事部、経営戦略室、海外営業部で構成しました。社長に講師を依頼し、社長から参加者個々にフィードバックをしてもらいました。
参加者の人選は、海外拠点長に依頼し、推薦状を書いてもらいました。推薦状には、選んだ社員が、研修でどうなってほしいのかといった期待値が書かれています。各参加者の上司には、研修の各段階での1on1の実施、フィードバックなど組織として一緒に育てていく体制をとりました。参加者自身も選抜されたことで、研修へのモチベーションが高かったようです。
クインテグラル提供のLMS (学習管理システム:Learning Management System) を資料やアウトプットの蓄積とアーカイブとして活用しました。
海外の参加者は、サンワテクノスの企業文化を日本人社員の存在を通して学ぶことができました。日本人参加者にとっても、異文化のビジネススタイルや考え方など多くの刺激を受けています。
クインテグラルの方には、弊社社長の田中から直接、人材育成への思いを聞いていただきました。また、参加者一人一人の情報を共有しながら、各フェーズでのプログラムを柔軟に設計してもらいました。急きょ、オンライン開催に変更になっても研修効果を担保しつつ、いろいろな提案をしてくださいました。
今後の研修の課題をお聞かせください。
髙橋様
今後の課題として、時差の問題があります。欧米、アジア、日本の社員が同時に研修を受けたため、米国社員のみが深夜での受講となってしまいました。また、研修で高まったモチベーションをどのように維持していくかなど、アフターフォローも検討していかなければなりません。
グローバル人材育成において、次のステップを教えてください。
髙橋様
海外現地法人の経営を担うグローバルマネジャーの育成です。ビジョンを描き、戦略を描き、組織力を強化し、エンゲージメントの向上をはかるといった能力を備える人材を育成していきます。将来的には、日本本社の役員にも名を連ねるような人材になってほしいと考えています。グローバルマネジャー研修の企画についても、クインテグラルに一緒に考えてほしいと思っています。
クインテグラル株式会社
小泉 カットワール
参加者にとってグローバルネクストリーダー研修に選ばれたことは、大きな期待と誇りを与えられたと思います。最初は戸惑っていた参加者が、研修が進むにつれて文化や言語の垣根を越えて、協力してゴールに向かっていく様子が伝わってきました。
田中社長は、参加者に組織をグローバルにリードするためには、目標を高く設定するようにとお話されていました。新しいアイデアでイノベーションを起こし、企業内起業家になって、ゆくゆくはスピンオフして会社のパートナーになることも可能とおしゃっていました。田中社長のお言葉が、参加者のチャレンジ意欲をかきたて、帰属意識 (belongingness)と包括性 (inclusivity) までも高めたと思います。
本研修をファシリテートする機会を与えられたことを非常に光栄に思います。今後の研修も楽しみにしています。